ホテルの語源と歴史
ホテルの語源
「Hotel」という言葉は中性ロマンス語(フランス語)の「Hostal」から転じたものです。元々はラテン語の「Hospitale(旅人や客人を暖かくもてなす)」という意味の言葉です。つまり、「Hospital(ホスピタル)」とは主人が客を持て成す意味であり、親切に「もてなすというホテル業界の根本理念とも言える言葉なのです。
ヨーロッパのホテルの歴史
14世紀中ごろのイギリスには「イン」という宿があり商人、巡礼者、一般の旅行者が宿泊に利用しました。1770年のフランスで「ホテル」と名乗る宿が開業しました。高級ホテルサボイホテル、ホテルリッツなどを一部の特権階級が利用するようになり「イン」と区別されるようになったのです。
アメリカのホテルの歴史
アメリカにホテルが登場したのは1797年です。ヨーロッパでホテルの高級化が進む中、アメリカでは庶民的で安価なホテルが増えていきました。スタットラーホテルは1908年にオープンし、誰でも安く清潔に泊まれるホテルとして一気に広がりました。
日本のホテルの歴史
日本がホテルの必要性に迫られるようになったのは鎖国後です。海外からの要人を宿泊できる西洋文化を取り入れたホテルが求められ1867年に築地ホテル館がオープンします。その後次々とホテルが誕生します。終戦後にホテル産業は休止状態になりますが経済復興とともにホテルは営業を再開しました。日本では東京オリンピックの開催時、万博博覧会、札幌冬季オリンピックなど国際的なイベントが起こるたびにホテル開業ブームが起きました。90年代以降もリゾート開発、バブル期には投資の対象としてホテルが増えていったのです。
これからのホテルチェーンはますます国際化が進む
国際ホテルチェーンのルーツ
スタットラーホテルは国際ホテルチェーンのルーツと言える宿泊施設です。このホテルが開業した当初のアメリカでは、ホテルと言えば最高級のホテルか、簡易宿泊施設のどちらかしかありませんでした。スタットラーホテルはこのどちらでもなく、中流層へ向けた清潔で安全、快適で利便性の良いリーズナブルな価格のホテルです。これにより、誰でも快適な旅行を楽しめるようになったのです。その後、スタットラーホテルはヒルトンに買収されました。現在でもヒルトンホテルチェーンにはスタットラーホテルの経営理念が残っておりヒルトンホテルの経営を支えています。
日本の国際ホテルチェーンのルーツ
国内でチェーン展開しているホテルは数多くあります。日本で初めて開業した国際ホテルは東京ヒルトンです。日本のホテルの水準を上げるために、ヒルトンと契約を結び経営委託ホテルを開業しました。ヒルトンとの契約によって得たホテル経営のノウハウは日本のホテルに世界レベルの接客を確率し、バブル以降、外資系ホテルチェーンの日本進出は本格化しました。ホテルのチェーン化には様々なメリットがあります。経営の安定、人材の活用だけではなく、予約販売の効率化。利用者からも信頼性のある名前の知られているホテルに泊まりたいという希望もかなえることができます。
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