機内に10時間以上缶詰状態になったうえ、乗り継ぎ時間が5時間! しかも、空港内はごった返していてベンチで時間を潰そうにもどこもかしこもいっぱいで、へとへと。そんな時、漠然と“ラウンジが使えたらなぁ”なんて思いが頭をかすめたことありませんか?
ラウンジなんて、所詮はビジネスやファーストクラスの乗客の専売特許!? いえ、諦めるのは早計です。エコノミーの乗客でもゴールドカードを持っていなくても利用できるラウンジがあるんです。
空港などが運営するラウンジは、ゴールドカードがなくても使える!
そもそも、空港のラウンジとはどんなところなのでしょうか。簡単に言ってしまえば、飛行機に乗ったり、乗り継いだりする時に、一部の乗客だけが利用できる特別な施設のこと。
意外に知られていませんが、ラウンジには大きく分けて2種類あります。
ひとつが、空港やカード会社などが運営しているラウンジ
たとえば、羽田空港の国内線旅客ターミナルには、一定クラス以上のクレジットカードを持っていると無料で利用できるラウンジが6か所あります。こうしたラウンジ、ゴールドカードがないと利用できないと思いがちですが、実はカードがなくても料金を払えば誰でも利用できたりするんです。
羽田第1旅客ターミナルにあるエアポートラウンジの営業時間とご利用料金

エアポートラウンジ(中央)1F | エアポートラウンジ(北・南)2F | ||
営業時間 | 6:00~20:00(シャワー受付時間19:30まで) | 営業時間 | (北)6:00~20:30 (南)6:00~21:00 |
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料金(税込価格) |
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料金(税込価格) |
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羽田第2旅客ターミナルにあるエアポートラウンジの営業時間とご利用料金

エアポートラウンジ(北)3F | エアポートラウンジ(南)2F・(北ピア)4F | ||
営業時間 | 6:00~20:00(シャワー受付時間19:30まで) | 営業時間 | (南)6:00~20:00 (北ピア)6:00~21:30 |
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料金(税込価格) |
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料金(税込価格) |
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国際線ターミナルにも、1,030円を払えば24時間利用できる「SKY LOUNGE」があります。ゆったりめのシートがあってソフトドリンクも自由に楽しめますが、あくまで実用的なインテリア。色気のある華やかなラウンジとは言い難いので、出発が深夜だったり出発前に早めに行って仕事をしたい時などにはいいかもしれません。
ラグジュアリーなのは、航空会社が運営するラウンジ
そしてもうひとつがエアラインが運営するラウンジです。おそらく“ラウンジ”と聞いて多くの人の頭に浮かぶのは、こちらのほうではないでしょうか。
主に、ビジネスやファーストクラスの搭乗券を持った乗客かエアラインの上級会員が利用できるサロンで、こちらは空港・カード系のラウンジに比べて、が然、豪華。ビュッフェ台には、フレッシュなフルーツや野菜、サンドイッチ、デリなどがとりどりに並び、ホテルの朝食ビュッフェさながら。ドリンク類も、ヘルスコンシャスなジュース類からアルコールまで実に豊富。さらに、シャワールームも完備され……と、まさに至れり尽くせり。
いくら機内食を摂っていても、みずみずしいフルーツや野菜は、やはりうれしいものです。発着便が集中する時間帯などは座れないこともあり想像以上に混んでいるのが玉にキズですが、長いフライトの疲れも癒されます。狭いシートで長時間のフライトをしてきたエコノミーの乗客こそ、利用したいものですよね。
エコノミーのチケットで、豪華なラウンジを利用する方法
では、エコノミーのチケットで、こうした豪華なラウンジを利用する方法はないのでしょうか。そのもっとも一般的な方法が、世界400都市にある900以上のラウンジが、搭乗券のクラスやカードのランクに係らず使える「プライオリティ・パス」に入会すること。
プライオリティ・パスの最もお得な入手方法は楽天プレミアムカード
年会費を払って「プライオリティ・パス」を入手する方法もありますが、年会費99米ドルのスタンダード会員の場合、利用するたびに27米ドルの料金を払わなければなりません。それよりもリーズナブルなのは、すべてのラウンジが好きなだけ使える「プレステージ会員」のパスが付帯サービスで付いてくるクレジットカードを作ること。

なかでも、年会費10,800円で、このプレステージ会員パスが付く楽天プレミアムカードは、よく紹介されていますね。たしかに、10,800円で世界中のラウンジが好きなだけ使えるのですから1年に何度も海外に足を運ぶ人にとっては申し分のないパスかもしれません。
経由地には、エコノミーでも利用できる、豪華なラウンジが!?
ただし、1年に1回、海外に行くかどうか、一度ラウンジに行ってみたなぁという程度の人にとっては、そのためだけに毎年1万円を払うのは、もったいない気もしますよね。ましてや、自分だけ「プライオリティ・パス」を持っていても同行者がいれば、その分は利用料がかかってしまいます。では、華やかな航空会社のラウンジは結局、憧れのままなのでしょうか?
実は、航空会社系のラウンジにも空港・カード系のラウンジ同様、搭乗券を持っていればクラス問わず利用できるラウンジが結構あるんです。特に、乗り継ぎ客が多い空港は狙い目。たとえば、どちらもホスピタリティに定評のあるドバイ国際航空にあるエミレーツ航空のマルハバ・ラウンジや、シンガポール・チャンギ国際空港にあるシンガポール航空のトランジットラウンジなどは、4000円前後の利用料を払えば、エコノミークラスの乗客でも利用できます。ヘルシンキ・ヴァンター国際空港のフィンランド式サウナが体験できるラウンジも、フィンエアーの搭乗券があれば、有料で利用することができます。
フランスにある世界一のラウンジは、誰でも利用できる!
さらに、こんなラウンジも利用できます。プライオリティ・パスが毎年発表している、“ラウンジ・オブ・ザ・イヤー”で、2015年に最優秀賞を受賞したフランス・ミュールーズにあるユーロエアポート バーゼル=ミュールーズ空港の「ユーロエアポート スカイビューラウンジ」。ガラス張りのドームから陽射しが差し込む3フロア吹き抜けの開放感あふれるこのラウンジは、“for all passengers”。ウェルカムデスクで4500円弱を払えば誰でも利用できるラウンジなんです。ちょっと贅沢かもしれませんが、世界一のラウンジ体験なら自分へのご褒美としてもいいのでは?
また、ラウンジではないですが、韓国・ソウルの仁川空港には、“スパ・オン・エアー”というスパがあり、約1500円で誰でも利用できます。タイムスケジュールがいまひとつ、という時は、試しに空港や航空会社のホームページなどでラウンジをチェックしてみてください。搭乗券さえあれば利用できるラウンジが意外にあるかもしれません。そして、ラウンジを利用するつもりなら、機内での食事をセーブすることもお忘れなく。